『好きな場所で得意を活かす』中高生のキャリアデザインゼミ

「Brand News」プレスルームでスタイリスト体験!PR会社のお仕事を学ぼう

幅広いジャンルを持つPR会社「Brand News」プレスルームでPRのお仕事を学び、スタイリスト体験もさせていただきました。

日付:2023.4.14

今回のプレインターンシップでは、新進気鋭のファッションブランドからコスメブランド、さらには大使館まで、幅広いジャンルのクライアントを持つPR会社「Brand News」のプレスルームを訪ねた。色とりどりの服や小物に囲まれながらPR会社について学び、実際にそれらを使ってコーディネートを組んでみる、という日常では体験することの出来ない本格的なスタイリスト体験に挑戦した。

 Brand NewsのPRディレクター山科匡史さんらが出迎えてくれてプレスルームの中に入ると、モダン系やエスニック系、グランジ系などモノトーンなものからカラフルなものまで、多種多様なジャンルの服がまるで1つの芸術作品を作っているかのようにラックに掛けられていた。それを一目見たメンバーは、「可愛いのが沢山ある!」と興奮した様子。そんな中、まずは山科さんからPR会社についてお話を伺った。 

そもそも「PR」とは? 

そもそもPRとは何か。一般的には広報のことを指す。では、広報とは何か。企業や会社が一体どういうことをしているのか、ということをメディアを通して知ってもらうこと。これが広報活動であり、PR活動である。「Brand News」では、日本やアメリカのデザイナーズブランドやコスメブランドのNARS、Red  Bullが立ち上げたファッションブランド ”アルファタウリ” など様々なブランドのPRを同時に担っており、マルチブランドショールームという形態になっている。このように、PRをPR会社が担うブランドや企業がある一方、CHANELやユニクロ、伊勢丹やオンラインのZOZOなど、自社でPR部署を持ちPRを行っているところもあるそうだ。
次に、広告とPRの違いをお話しして下さった。広告は多大な費用がかかるのに対し、PRは基本的に費用がかからない。PR会社は情報を提供し、その情報をメディアが読者や視聴者のニーズに合わせてピックアップして流す為、そこには金銭のやり取りが発生しないのだという。
PRとはどの様なものなのか、分かりやすく説明していただき、熱心に聴き入りながら相槌を打つメンバーが多くいた。 

メディアとは何か。 

ここで、山科さんからメンバーに「メディアって何だと思う?」という質問が投げかけられた。「メディア」は普段良く耳にする単語なので、容易に答えられると思っていたが、いざ言葉にするとなると上手く言語化できなかった。メンバーみんなが悩んでいる様子を見て、「メディア」とは、自分達でコンテンツを作って発信していくことだと教えて下さった。例えば、ニュースや新聞、雑誌などはもちろん、以前プレインターンシップで訪ねたWWD JAPANのような、業界のことを知ってもらうための媒体もメディアである。加えて、インフルエンサーは個人を発信するメディアとも言われている。
メディアは差異を図るために夜パフェ特集やドラマのロケ地特集など、オリジナリティ溢れる企画を行う。こういった方法でファンを増やしていくのだ。

何のためにPRを行っているの? 

ところで、何のためにPRをやっているのか。1つ目の理由は、知名度を上げるためである。なぜなら、知名度が上がると売り上げも上がるという世の中の鉄則があるからだという。知名度が上がれば上がるほど人間は安心してものを買え、親近感が湧くそうだ。心理的な側面からもアプローチされているところに感心し、興味を覚えた。2つ目は、商品や品質のことを知ってもらうため。3つ目は、環境に優しい取り組みなどその企業が行っている活動を知ってもらうためである。これも企業イメージを上げるために大事なことである。

ファッション業界のPR 

 では、ファッション業界はどのようにPRをしていくのか。その手段としてまずは、服の貸し出し業務がある。様々なブランドの服が置かれているプレスルームにスタイリストさんや編集者の方が来て、服を借りていく。最近では若者から中高年まで、あらゆる世代から人気な歌手のアーティスト写真や、今をときめく女優さんのバラエティー番組の衣装、アイドルのジャケ写の利用などでリースされたという。その情報を聞いたメンバーは目をキラキラ輝かせ、深く頷いていた。 
 しかし、ブランドの代わりにお勧めし、貸し出しをしたりしているため、依頼内容がブランドのイメージや値段が合わない、あまり服が写らない場合は案件を断らなければならないケースもある。ショールームはブランドを預かる以上、責任を持ってメディアとの繋がりを作り上げなければならないそうだ。 
 もう1つのPRの大切な仕事は、ファッションショーや展示会の開催だ。メンバーも大好きなファッションショーや展示会にはメディアの方やバイヤーさん、スタイリストさんや編集者の方が来る。これに伴い、ファッションショーを手がけたり、季節ごとに新作の服をずらっと並べた展示会も開催している。さらに、広報の基本的なことの1つであるプレスリリースの配信もしている。 
PR会社は最新の情報をメディアに提供し、取り上げてもらうことでより多くの人に周知してもらい、メディアはニュースネタになるような最新の情報を得られるため、win-winの関係なのだ。 

今注目すべき企業・ブランド 

 次に実際に取り扱っている企業やブランドについて説明をしてもらった。山科さんおすすめの注目すべき1つ目は…カナダのモントリオールに本社を構えるEコマースのサイト、SSENSE! 
始まりは2003年。20代前半だった創業者が古着をネットで売ってみたら、想像以上に高値で売ることができた。その頃はそのようなことをやっている人があまりおらず、これはビジネスチャンスと思い、自分の兄弟を誘ってオンラインサイトを立ち上げた。そして今では400を超えるブランドを扱い、GUCCIのカプセルコレクションを行うなど巨大な企業に成長した。 
 成功した理由の1つがTシャツとスニーカーにフォーカスしたことである。当時ストリートブランドやTシャツ、スニーカーなどが流行っており、それらは誰もが大体の自分のサイズを把握している為、サイズを気にする必要が無くオンラインでも買いやすかった。 
また、1つの商品を売る際にモデルにヘアメイクを施し、全身のトータルコーディネート例を入れたりして、トータルのイメージを作るところまでやっているサイトは当時あまりなかった。 
さらに、他のサイトとの差別化を図るため、自分達でその時にHOTなアーティストに取材をしたり、ストリートカルチャーにフォーカスしリポートするなど、独自のコンテンツを展開したことでマニアックなファンが増えたのだ。 

 次に説明していただいたのが日本のデザイナーズブランドMURRALだ。代表アイテムは、オリジナルの刺繍レースを用いたアイテムである。 セレクトショップで扱っている他、通販にも力を入れているが、ドレスが中心なので比較的高価格なものが多いうえ、自分のサイズが把握しづらい、という点から、毎月1回試着会なども開催している。 さらに、オンライン上でのファンも多く持つが、ブランドを表現する為に、ファッションショーなどで世界観を演出する取り組みも行っている。 ショーには多数のインフルエンサーが集まり、知名度の向上にも繋がっているそうだ。 

スタイリスト体験 

 最後に、コーディネートを組んでみるというスタイリスト体験に挑戦した。例えば、普段手に取らないような、腕を通さず肩からかけるだけの珍しいデザインの羽織物や天然素材を100%使用したこだわりの服や小物の数々に心を奪われていたメンバー達。中には想像力が膨らみ「このコーデは、海にいるちょっと日焼けした女の子に着てほしいな〜」と呟くメンバーもいた。 
 スタイリスト体験を思う存分楽しんだ後は、それぞれが組んだコーディネートを披露し合った。想像以上に選んだイメージやジャンルが皆違い、それぞれの個性がコーディネートという形で素敵に表現されていた。自分が着たいものを中心に、レースを使ったシックなアイテムばかり選んだメンバーやカジュアルでスポーティーなコーデを組んでいたメンバー。着て欲しい女の子を想像してスタイリングをしたメンバーまで、10人10色を目の当たりにした気分だった。 
 加えて、スタイリスト体験を通してコーディネートを組む難しさを実感した。最新のトレンドやスタイルの知識を常に更新し続け、予算や時間が制限された中で、クライアントのニーズに合わせたオリジナルの提案を適宜しているスタイリストの方々に尊敬の念を抱いた。 

 メディアに触れる機会がたくさんある私達だが、実際にメディアやPRと広告の違いについて詳しく学ぶ機会は滅多に無い為、山科さんからお話しを聞くことができ、とても有意義で濃い時間が過ごせた。 さらに、普段触ることのできないような服を実際に見て手に取ることで、自分はモード系の服やシャギーのような素材、左右非対称なデザインに惹かれる傾向があるなど、自分でも気づくことのなかった“好き“や“個性“を発見することもできた。 「学校の授業はすぐ眠くなるのに、楽しすぎて睡魔のすの字もなかった!」というメンバーの声も。笑 
 その後、メンバーは名残惜しそうにプレスルームから退出した。(宮澤愛梨/高校3年) 

参加メンバーの感想

 私は今回Brand Newsさんのプレインターンシップを受けてきました。まず、PRのことについて説明していただいて、その後に実際にスタイリストさんになりきり、スタイリングをするという体験をしました。 
 皆さんはPRのお仕事の内容を詳しく知っていますか?私はPR=広告というイメージでした。 でも実際にお話を聞いて全く違うことがわかりました。マーケティングとは広告だけではなく、広告をする前の段階だったり、広告の後の販売など私が思っていたより何倍も幅広く、そして大変な仕事でした。 
 今回はお洋服のマーケティングのお話を聞かせていただいたのですが、お洋服を貸し出す時も、この雑誌にこの服は合うのか、イメージに合うのかを考えたり、売り出し方、売り出してる時の状況を見たりなど、話を聞かないとわからなかった小さな大事なことを教えていただきました。多分しっかりとマーケティングのお話を知らない人は、広告用のお洋服をお店に置いて、貸して欲しいと言われたらサインを書いて貸す。という一見単純な動きのみをしているように見えるでしょう。私もそうでした。けれど、今回のお話を伺って、全く違うことを知れました。 
 そして次はスタイリストさん体験です! お店にあるお洋服から自分が好きなものを手に取り、スタイリングを組みました。 実際のスタイリストさんだと、厚底の靴を使ってコーデを組むとなると、すぐに10パターンくらいコーデを作るそうです。このお話だけをきくと自分もすぐ出来ると思うでしょう。でもそんな簡単なものではありません。一つのコーデを作るのに10分以上かかってしまいました。私以上に時間がかかってる子もいました。 スタイリストさんにただただすごい!という感情しか出ないくらいとても大変な作業でした。可愛い洋服がたくさんあって、小物もあって、大変ではあったけど、とっても楽しく、とってもいい経験になりました!  有難うございました!(秋山寿/高校1年) 

 今回のプレインターシップでは、最新のファッション、コスメラグジュアリーなど幅広いジャンルに携わっている「Brand News」さんの会社で、PRとはどんな仕事なのか学びました。自分は、PRはそれぞれの会社が個人個人でやっているものだと思っていたので、様々な会社のPRをやっている「Brand News」さんの仕事にびっくりしました。 
 受け持つ会社さんの魅力を最大限に消費者に伝えることが必要となるそうで、宣伝とはまた別のものなんだそうです。魅力を伝えるためには受け持つ会社についてよく知らないといけないとダメだと思うので、すごいと思いました。 
 PRのお仕事の話を伺った後、実際に会社にある服を自由に使わせて頂き、スタイリスト体験をしました。普段から沢山の服は見ているものの、自由に触ったりコーデを組んでみたりすることはなかったので、なんだか緊張しました。実際に組んでみると、今まで分からなかった私の好みがハッキリと分かり面白かったです。また、ほかの人のコーディネートを見るのも自分との比較が出来たり、新しい感性が感じられて良かったです。今回のプレインターシップでは、今までにない体験をすることができ、また新しい発見をすることが出来たと思います。(Kano/中学3年)