Rakuten Fashion Week TOKYOの2022AW(秋冬)が開催され、FFiメンバーも多くのショーを見学させていただきました。
日付:2022.3.19
「Requal≡」は2016年にスタートした構築的なフォルムと、ダイナミックなデザインが特徴のユニセックスブランド。大胆なフォルムはファッションの可能性や楽しさを再認識させてくれます。2022AWはRunway Show形式で開催され、オープンエアの会場でのショー見学に、メンバーもテンションが上がっていました。
メンバーレポート:

日常に潜む新しさ
とある偶然から、RequaL≡のランウェイショー見学に参加させていただいた。国内最大級のファッションの祭典と言われるRakuten Fashion Week TOKYOの、2022 A/W Collectionにてフィジカル形式で発表を行ったブランドの一つであるそうだ。聞けば、昨今の情勢によりオンラインで発表を行うブランドも決して少なくないという。しかし、今回の見学を経て、まさにそのブランドの世界観を肌で感じる事のできるファッションショーは、そう簡単に廃れるものではないだろうと感じた。 目黒駅から程近い、賑わった交差点からほんの数分離れたところにある屋外スタジオが今回のショーの舞台。駅の周辺とはガラッと雰囲気が異なり、つい目で追ってしまうような、個性的でファッショナブルな人々が集った異空間だった。着いた瞬間その場の空気に衝撃を受けつつも列に加わると、中でも一際目立ったファッションをした数人が列から出て、道路の真ん中でカメラに向かってポージングをしていた。モデルか何かであろうかと思っていたところ、ファッションショーでは、ショーの前後にお洒落なファッションをした来場者のスナップを撮るのが珍しくないのだと教えてもらった。 スタジオ内は海外の古い街並みのような光景が隅から隅まで作り込まれていて、細やかな演出に目が離せなかった。クタクタになった古着や、クシャクシャのコップ、新品の皿。今季のコレクションは、デザイナーがスペインバルセロナで見た「偽物」のブランド品が並んだマーケットから着想を得たという。街並みそのものがランウェイなのだ。 とうとうBGMが流れ始め、胸を高鳴らせてモデルの登場を待つと、パロディロゴを胸に大きくのせたモデルが颯爽と通り過ぎ、常識を覆すような光景を絶え間なく目の当たりにした。セーターが帽子として、着ぐるみがセットアップとして着こなされ、シャツは幾つにもドッキングされ、生地は古さをプラスして原型を留めていない。あまりに個性的で半ば信じられないと思いながらも、それ以上に、それらを着こなし最大限に魅力的に見せるモデルがあまりにかっこよく、目が離せなかった。 あっという間に10分間が過ぎ、ぼーっとした気持ちになっていると男性が目の前のランウェイを走って駆け抜けていった。デザイナーの土居哲也氏だ。後で調べると、ショーの最後にランウェイを走って挨拶をし、帰っていく光景は今回に限らないようである(今回は靴が片方脱げてしまうというハプニングがあったが)。つい頬が緩んでしまうような演出は、デザイナーの人間性や温かみ、ユーモアを感じることができる代え難いものであると感じた。 今回ファッションショーやモデルというものを初めて目の当たりにし、自分の世界とは全く違うというような衝撃を受けた。このブランドの服を着こなせる人が、自分の周りにかつていただろうか。いや、もはやこれを日常で着こなせる人がいるのだろうかとすら感じた。 しかし、ショーの後も余韻のままにデザイナーやブランドについて検索していると、こんなインタビューを見つけた。毎シーズンのテーマはどのように決めているのか、という問いについて土居哲也氏は以下のように答えている。非日常感や違和感、夢、希望を伝えるのがショーで、ショーの段階では「着れる服ない」と言われるものを、スタイリングや見せ方を変える事で展示会では売りの路線に変えたりしている。一般のお客さんに着てもらえるよう、日常に近づけるためにテーマを設けている。(Rakuten Fashion Week TOKYO, 2020/12/25参照) ショーが終わって来場者を見渡すと、「Re:quaL≡」というタグや、ロゴのついた私服をきた人々を周囲に何人も見つけることができた。人々に寄り添うファッションは多様で、身近な所にも見方を変えるだけで新しさが多く潜んでいるのだと、奥の深さを感じた。(Kanaha 大学2年)

クリエイティブを見学
Rakuten Fashion Week TOKYO 2022、Requalというブランドのファッションショーに参加させて頂きました。“new fashion market”というテーマのAW Collectionはとても斬新でイノベイティブなお洋服ばかりで、迫力がありました。その中でも、ダメージを”再現”したり、一つの大きなクマの人形をそのままお洋服にしたようなコーデではクマの口部分が取り外し可能なクラッチでティッシュ箱にもなれたりと、私には到底思い付かないようなアイデアが詰まっていました。お洋服に加えて、会場のプロフェッショナルな雰囲気はとても新鮮で刺激的で、勉強になりました。(Nijiho 12年生)