今回の2024 春夏ファッションウィークでも、多くのショーを見学。それぞれのブランドの特色を感じながら楽しみました。
日付:2023.8.28~9.2
FFiでの東京ファッションウィークランウェイショー見学も、4シーズン目。参加回数を重ねたメンバーは、前シーズンとの比較や、各ブランドの演出の特徴に注目して見学をできるようになってきました。半年に1度の、プロフェッショナルな大人の本気を垣間見るショーは、中高生たちにとって大いに刺激となる1週間となりました。
8月28日
「NaNo Art」ランウェイショー
「着て楽しみ、見て楽しむ」をコンセプトとした「NaNo Art」。今シーズンは、特定の堆肥に埋めると約1年で水と二酸化炭素に分解されるという、生分解ポリエステル素材「ReTE」を使ったルックをメインに展開されました。生分解は、リサイクルやリユースと違い、きれいに終わるもの。デザイナー後藤凪氏、田中睦人氏の死生観を通じ、それは人生にも似ているのではないか、という考えから今シーズンのテーマを「Rest in peace」としたコレクション。ドローコードやインパクトあるカラーのデザインなど華美ではないながらも個性をディテールで表現するアイテムが目立ちました。ピアノの荘厳な響きにのせたランウェイをメンバーも堪能しました。



8月29日
Queen&Jack ランウェイショー
世界でも注目されている日本オリジナルの制服カルチャーを、トラッドなニュアンスは残しつつモードへと昇華したルックが、毎シーズン好評な「Queen&Jack」。ベーシックな中高生にも馴染みの深いアイテムも、思い切りのよいレイヤードや独特の細部のデザインにより新鮮に見え、メンバーたちも可愛い!と見入っていました。



8月30日
SEVSKIGランウェイショー
多趣味なデザイナー長野氏による、アニメ作品とのコラボレーションで毎シーズン話題の「SEVSKIG」。今シーズンは「新世紀エヴァンゲリオン」とコラボを行い、作中に登場するバリアをイメージして開発した素材などもランウェイに登場しました。今シーズンのタイトルは”IF WE BREAK DOWN THE WALLS”。「現代の争いや分断、障壁などを取り払うことができたら、その先に光が見えてくるのではないか」という思いを、ディテールやデザイン、加工の一つ一つに取り入れていました。大正ロマン香る会場で、華やかなランウェイを飾るルックを、注意深く見れば見るほどメッセージが読み取れるショーに、メンバーも感慨深く見学しました。



8月30 日
Global Fashion Collective ランウェイショー
クリエイティブなデザイナーを支援することに特化したプラットフォーム「Global Fashion Collective」のランウェイショー。バンクーバーファッションウィークから派生し、2017年10月にスタートしたGFCは、世界各地の多様なファッション都市で革新的なランウェイショーケースをプロデュース。初めてTokyo Collectionで行われる今回のショーには、多くの国内外の著名人や、海外メディア、スタイリストの方が来場し、思い思いのファッションに身を包んだ会場では、メンバーが「ダイバーシティを感じる!」とつぶやく場面も。ランウェイショーでルックを披露したモデルがキレキレのダンスを披露するなど、オリジナリティあるショーを楽しみました。
<メンターの感想>
2部に分かれて行われたGlobal Fashion Collectiveは、世界各国から6人のデザイナーとデザインスクールからの学生たちが発表するコレクションを一度に見ることができた。
会場の中央にランウェイ、その脇に客席がある構成になっており、会場には個性豊かなファッションをまとった招待客の方々が見られた。FFiで3期目のファッションウィークになるが、続々と華やかなゲストで会場が埋められていく様子には毎回高揚感が湧き上がる。
ショーが始まると、各デザイナーごとにジャンルが違う装いが見られた。エレガントでドレッシーなスタイリングもあれば、エキゾチックな雰囲気のルックだったりと、暗転するたびに会場の世界観が変化していた。特に、デザインスクールの生徒によるセクションでは全身ピクセル柄のルックや異素材を組み合わせたポップなスタイルなど、印象に残るデザインが見られた。
今回は様々なブランドのコレクションを一度に触れることができた。それぞれのブランドが打ち出すスタイルが違うように、会場に集まるゲストの皆さんもそれぞれが違った装いになるのだと感じた。各ショーが異なるエネルギーを放出していたため、普段より刺激を受けたからその日はよく眠れた気がした。(FFiメンター/Ema)




8月30日
BENCH/ ランウェイショー
フィリピン発のライフスタイル・アパレルブランドBENCH/が、フィリピンの民族衣装を世界に広めるためフィリピン文化センターと共同開催するTernocon。今回のショーでもそのTernoconで高い評価を得た「デニス ルスティコ」「ジョーイ サムソン」「リッキー トレド チト ビジャンドレ」の3ブランドと合同でショーを行いました。あまりメンバーたちにとって馴染みのなかったフィリピンの伝統衣装ですが、その華やかなアレンジと新鮮さに、ほかのランウェイショーにはない高揚感を味わっていました。



8月31日
SHOOP ランウェイショー
日本人とスペイン人のデザイナーユニットにより、異国のカルチャーをミックスした独特な世界観がLONDON Fashion Weekでも好評だった「SHOOP」。今シーズンは「東京」をテーマに掲げ、東京をイメージしたモノトーン中心の抑えたカラーリングでまとめたコレクションに。テーラードやセットアップといったともすると硬くなりがちなアイテムも、素材感やデザインの抜け感で軽快にまとめているのが印象的なショー。国立競技場地下駐車場という会場もマッチして、東京らしさを醸し出していました。
<メンターの感想>
国立競技場Gゲートから近い、地下駐車場へと続く道をランウェイに変え、SHOOPのショーが始まった。地下特有の暑さを感じながら待っていると、自動車が普段辿る道からモデルが登場した。
スーツのセットアップのようなフォーマルなスタイリングから始まり、デニム素材やジャージなどのカジュアルなルックなど様々なスタイリングが見られた。SHOOPはユニセックスブランドということもあり、性別を問わずスタイリッシュになれるルックが多く魅力的だった。
色使いもトップスとボトムスを同系色かつ無彩色でまとめているスタイルが多く見られたため、蛍光グリーンやパープルなどの明るいカラーがアクセントになっていた。自分でも暗い色でまとめてしまうことが多いが、来る冬に向けて明るいカラーの取り入れ方が参考になった。
地下駐車場というシンプルな空間でのショーはよりスタイリングに集中させ、日常により溶け込んでいるようだった。ショーは非日常の空間というイメージがあるが、アスファルトを歩くモデルを見ていると街で見かけたスタイリングのようにも見えて不思議な感覚であった。
(FFiメンター/Ema)


