『好きな場所で得意を活かす』中高生のキャリアデザインゼミ

伝統とフィロソフィ、働く人から学ぶ「GUCCI」PRIDE

エキシビション「GUCCI VISION」見学と、GUCCiスタッフの方を通してGUCCI の伝統とフィロソフィを学びました。

日付:2023.11.7

今回のプレインターンシップの舞台は、エキシビション「Gucci Visions」を開催中のGUCCI銀座。銀座店に勤務する販売スタッフの方だけでなく、リテールやPR、プロダクトケアマネージャーの方なども一堂に会し、モノづくりからキャリアまで根掘り葉掘り聞ける贅沢な時間になった。 
まずは1階から4階までワンフロアずつ解説していただくショップツアー。しかも、いくつかのグループに別れて案内していただいたため、筆者が付き添ったグループではメンバー1人に対し人事部の2名がついてくださるなんとも贅沢なツアーとなった。

まずは入口のある1階へ。最近は来日観光客も増え、スタッフ全員が接客対応で埋まっていることも多々あるという銀座店は19時台にも関わらず賑わっていた。メンバーが驚いた商品は、動物の皮から作られているであろう模様にも関わらず、カラーバリエーションが豊富なお財布。「GUCCIは牛革を用いた製品がメインだが、ダチョウ(オーストリッチ)や水蛇(クロコダイル)を用いたものもあります。」とのこと。確かなクラフツマンシップが、それぞれ個性のある素材を真のラグジュアリーに値する品質へと導いていくのだ。香料を使わず生花を圧縮して生産している香水「アルケミストガーデン」や、GUCCIの中では珍しく2万円台で購入できるため10~20代に人気だというシルバーアクセサリーも紹介していただいた。 

続いて、ウィメンズのウエア・シューズがずらりと並ぶ2階へ訪れた。メンバーはパステルピンクのダウンに一目惚れ。マネキンのコーディネートでアクセントになっていたのが、花柄の幸福感あふれるスカーフ。社員さんのパンツや、一階で販売されていた香水もこの柄だったよね、とメンバーと盛り上がっていると、「これは『フローラ』という伝統あるグッチのアイコンで、モナコのグレース大公妃のために1日でデザインしたと言い伝えられているんですよ」と教えてくださった。 
その後もジュエリーやメンズを見学していく中で気づいたことが1つある。ラッキーアイテムとして動物がデザインに組み込まれたアイテムが多いのだ。例えば、色とりどりのジュエリーが惜しみなくあしらわれた1000万円を超えるというネックレスは、ライオンが口にジュエリーを咥えているデザインになっており、「パワーや勝利を招くライオン」という意味合いがあるそう。また、黒い財布のアクセントになっているシルバーの蜂には「幸運を運ぶ生き物」という意味があるそうだ。ご案内いただいた人事部の方によると、「前クリエイティブ・ディレクターは動植物からインスピレーションを受けており、タイガーや蜂、蝶、蛇などをよく使っていたんです。」と教えてくださった。どんな質問にも分かりやすく詳しく応えてくださる人事担当者の方は、入社当初は販売スタッフとして働いており、その後人事に立候補したところ希望が叶い、今に至るそうだ。 

バンブーハンドルバッグの内側にセロテープを貼ると〇〇がわかる!? 
休憩時間にはプロダクトケアのご担当の方が「そのバッグ、うちのビンテージだよね?」とメンバーに話しかける場面も。お母様から借りてきたというバンブーハンドルのバッグについて、「持ち手になっているバンブーの細さで、大体どの年代の商品なのか分かるんだ。クリエイティブ・ディレクターによってバンブーの細さの好みが違う。」とのこと。メンバーが持っていたバッグは「トム・フォードがクリエイティブ・ディレクターとなった1995年より前のデザインではないか」と予想していた。PRご担当の方はとあるメンバーを見て、「前回のLOVE PARADEのプレインターンシップもいらしてくださいましたよね?」とにっこり。休憩時間といえ最初は緊張気味にそわそわしていたメンバーだが、社員のみなさんがラフに話しかけてくださるうちに、最後はのびのびと質問をするようになっていた。 
GUCCIのプロダクトのラインナップを学んだ次は、職人さんを一番近くでサポートしているプロダクトケアのご担当者さんによるモノづくりのレクチャーがスタート。GUCCIの商品は基本職人の手作り。職人さんは1人前になるまでに約20年の歳月が必要だそう。1人前とは、「すべてのパーツを自分で作れるようになること」を意味する。なぜならGUCCIのバッグづくりは「複数人で作ると個性がバラついて浮き出てしまう」という理由からパーツごとの分業制を取らず、1つのバッグを1人が作っているからだ。最初の3年は、あのアイコニックなバンブーの曲げ方を会得するために費やすのだとか。先ほどのバンブーハンドルのバックを持ってきたメンバーが「このバッグも誰が作ったか分かったりするんですか?」と質問。担当者さん曰く、カバンの内側には目立たないように数字が刻印されており、そこにセロハンテープを貼って剥がすとテープに数字が浮き上がり、担当者がわかるのだそう。ショップツアーの際に「GUCCIのすごいところは作る工程を世界に公開していること。公開しても、再現できる職人がGUCCIにしかいないから。」と仰っていたことを思い出し、誰しもがGUCCIのモノづくりに誇りを持っているのだと感じた。「手で作れば、手で直すことが出来る。でも、ロボットやコンピューターなどの機械によるステッチやカッティングは直しにくいので、世代を超えられない。」と語る。1950年代に購入したバッグを孫に譲りたいので直してほしい、という依頼も多いそう。「職人の愛のこもったモノづくりは、世代も地域も超えることができる、というのが今日みなさんに言いたかったことです!」と締めくくった。 

前職は学校の先生?GUCCIで働く方のバックグラウンドとは 
レクチャーの後は、グループに分かれてガヤガヤと自由座談会。「どうしてこのお仕事を始めたんですか?」というメンバーからの質問には意外な答えが。プロダクトケアご担当者さんの前職はファッションと無関係だったそうだが、その頃住んでいたイタリアのフィレンツェで、バッグや靴、家具など、ハンドメイドの職人のモノづくりに触れ、その魅力を感じていた矢先、運よくGUCCIイタリアの求人が出たことをきっかけに入社したそう。「夢を見られる仕事だよなあ」と呟く姿が印象的だった。特に忘れられない仕事は、職人さんをイタリアから日本に連れてきて、お客様の目の前でバッグを作るイベントを開催した時。「職人とお客様の間に”一緒に作ってる感覚”が生まれて、どんどん盛り上がっていくし、嬉しさがすごい。通訳しながらその熱気を感じていた時、この仕事をしていてよかったなーと思った」。 
クライアントエンゲージメント部のご担当者さんの前職はなんと学校の先生。「人と繋がることが好きなので、顧客の方と接する仕事をしてみたいと思った」のだそう。この仕事は「ファンを作るお仕事、縁を大切にするお仕事」だと語る。お客様に「あなたまだいたのね、嬉しい」と言われたときの喜びが印象に残っていると話してくれた。「お仕事だけど、ほぼ趣味。お金がもらえてラッキーって感覚」だと茶目っ気たっぷりに話す姿が印象的だった。 

最後は、開催中の「Gucci Visions」を見学。GUCCI創設から102年、そしてクリエイティブ・ディレクターの交代という節目のタイミングで、唯一無二のクリエーションを作り上げてきた歴代のクリエイティブ・ディレクターや職人たちの才能、GUCCIのコードを探究しながらイタリアのクラフツマンシップによる本物の価値を体感してほしいという想いが込められているそうだ。GUCCIを代表する4つのアイコンバッグ300点以上が四方を埋め尽くした部屋は圧巻だった。次から次へと目に飛び込んでくるバッグに夢中でなかなかその場を離れる気配がないメンバーたちに、アテンドしてくださった社員の皆さんも予定時刻を過ぎてもお付き合いくださった。以前筆者がプレインターンシップに参加した際に、ラグジュアリーブランドとのコラボに至るまでのストーリーを当主ご本人からレクチャーしていただいた西陣織の老舗「HOSOO」とコラボしたバッグもあり、点と点が繋がったようで嬉しくなった。社員の皆さんがメンバーからの質問に答えたり、パネルにはない説明を加えるたびに、他部署の社員さんもすーっと寄ってきて聞き入っている姿は、ブランドへの愛情を感じた。 
職人さんが3年かけて学ぶバンブーハンドルの作り方を学ぶブースでは炎で炙った竹を素手で絶妙に曲げていく様子に驚いたり、フィレンツェで開催された「Gucci Vision」以上のクオリティだというアイコンのフローラの大きなお花畑に迷い込んだような空間を楽しんだり、自分の気になるアイテムの展示ブースで社員さんからさらに詳しく説明を受けたりとメンバーは思い思いの時間を過ごし、「時間が足りない!」「また来たい!」と後ろ髪をひかれる思いのよう。GUCCIのモノづくりの魅力から人の魅力まで余すところなく堪能できる体験となった。 (内藤里沙/FFiメンター慶應義塾大学4年)

参加メンバーの感想

GUCCIでのプレ・インターンシップに参加して、携わって頂いた方々との出逢いが私にとって、最も印象的な体験でした。皆さんユーモアや優しさを兼ね備えていて、とても親しみやすかったです。わずかな時間でしたが、GUCCIや働いている方々を身近に感じることができました。そんな所はやはり日々の仕事によって身についた物なのかなと思いましたし、イタリア語を話せたり、知識が豊富だったりでかっこよさも兼ね備えているなと思いました。そんな親しみやすさやかっこよさに憧れを感じ、また、将来の仕事についての影響を与えてくれる機会になったと思います。GUCCIのプロダクトについて学ぶ時間では、機械には越えられないような壁を、人間は越えられることが出来るという所が心に残りました。職人さんの技術が何代も何代も受け継がれることによって、何十年の昔の商品の修理を頼まれても、直すことが可能なところに感銘を受けました。素敵な商品、歴史を学ぶことができた貴重な体験、ありがとうございました。(渡邊夏香/高校1年) 

最後に見た「GUCCI Visions」の特別展も凄く面白かったのですが、やはり実際に使われている店内を見て回るという体験がとても楽しかったです。1時間かけてお店を見て回ることはあまりないので貴重な体験になりました。特に印象に残ったのは、実際にGUCCI銀座店の店長さんや、本社の方とお話した時です。様々な立場の方がいらっしゃったので店の普段の様子だけじゃなくて、本部は今こういう事を考えていて……というような裏事情も少し聞くことが出来たので、嬉しかったです。働いている人に話を伺うと、GUCCIには様々な経歴を持った方々がいました。今回のお話を聞くことで、自分自身、人生設計を固く持たずに、その時々で自分の好きなことをするのがいいなと感じました。(Kano/中学3年) 

今回参加して、心に残った言葉があります。「意外と未来への扉は近くにあるよ」とGUCCIで働いていらっしゃる方々にアドバイスを頂いて、もっと頑張れるから頑張ろう!と思うことができました。自分自身が動かないとあるチャンスも逃してしまうと思い、これからのあるチャンスを逃さないように努力しようと思いました。ジュエリーなどワクワクするアイテムを見たり、バッグがどのように作られているか教えていただいたりという体験に加え、心が動く言葉をいただけたことが貴重な体験になりました。(新関桜子/高校3年) 

今回のプレ・インターンシップに参加して、実際に働きたい部門(広報)に関わっている方のお話を聞けたことが貴重な体験となりました。特に印象に残ったのは、バンブーやクロコ柄の商品など手作業にこだわって技術を継承しているということ。手でつくる=技術を持っている人間が直していけるということであるため、物だけでなくそこにある意思も世代を超えて引き継いでいける、というお話に、GUCCIのフィロソフィーを感じました。 
これまでも憧れのブランドではありましたが、今回の体験を経てGUCCIの商品にさらに興味を持ちました(特にホースビットローファー)。 GUCCIとコラボしていたGINORIについて知らなかったので、帰ってブランドについて調べてみるなど、自分にとっての新しい学びもありました。(Ema/FFiメンター)