年に2回東京でも開催されるファッションウィーク。今回は、2023年春夏のランウェーショーを、8ブランド見学しました。
日付:2022.8.29~9.3
主会場の渋谷ヒカリエ、表参道ヒルズを中心に8月29日(月)~9月3日(土)に開催されたRakuten Fashion Week Tokyo 2022s/s。フィジカルでの開催も前回に比較して戻ってきた今シーズンは、8ブランドのランウェーショーをFFiメンバーが見学させていただきました。ブランドが新作のお洋服だけではなく、会場やライト、音楽、演出の細部にまでこだわって発表されるランウェーショー。メンバーもブランドからのメッセージをしっかりと受け止め、また初めてショーを見る子も大いに刺激を受けた様子でした。
メンバーレポート:

8.31 genzai
現代らしい [genzai] 2023春夏コレクション
genzaiの春夏コレクションが楽天 ファッション ウィーク東京にて発表された。ブランドとしては初となるランウェイショーを見学することができた。
genzaiはTシャツやフーディーなどのカジュアルなストリートスタイルを扱い、10代から20代の若年層がメインのターゲットである。ゲストの年齢層も若めで、ストリートな格好に身を包んだ方が多い印象を受けた。
今回は事前にコンセプトを知ることができた。ショーのテーマは “DYSTOPIA”な世界の現代だ。バベルの塔からインスピレーションを受け、自由に生きていた人々がある日言葉も通じなくなり人々が散り散りになっていくさまをgenzaiはディストピアと解釈し、ショーに落とし込んでいる。
いざショーがスタートすると、早速不安感を煽る音楽が流れ始め、ラッパー・HIDEYOSHIがパフォーマンスを披露した。ほどなくすると、genzaiの新作を着たモデルたちがHIDEYOSHIを囲んで静止した。鮮やかなブルゾンやジーンズなどのカジュアルなルックを中心に展開されていた。
モデルが観客側から背を向け円を囲う中、四方から会場を埋め尽くす数のダンサーが登場した。彼ら全員が同じグレーのウエアで揃えていたところが作業員のようで、バベルの塔を建設する市民を表していると感じた。ラップパフォーマンスに加え、微動だにしないモデルの円の周りで無規則に踊ったり、歩いたり、座ったりする様子は「カオス!!」と感じずにはいられなかった。パフォーマンスに圧倒されている中、突然ショーは終了し、最後は全員がその場で静止していた。
ショーの中で一番に見せたいのは新作の作品であると思っていたが、genzaiのショーではモデルよりパフォーマーの方が数が多く、アグレッシブに踊っていた。見た直後は混沌としていて難しく感じたが、日を置いて考えていると、とても現代らしい発想だと感じた。genzaiはSNSを主軸としており、ECサイトがメインのプラットフォームである。最近はオンライン上で全身の着用画像が見れたり、拡大して細かなディテールを見たりすることが容易にできる時代だ。その分、genzaiのランウェイショーでは服のディテールより服に込めた見えない概念や感じてほしい世界観を視覚化したいという強い思いを感じた。
genzaiはデジタルを中心に展開していた分、リアルな空間でしか体験できないショーになっていたと考える。オンラインで代替可能なことが増えてきている中でリアルにしかない価値もあるはずだ。その価値がいろいろな場所で、これからもどんどん見いだされていくのだと感じた。(Ema/高校2年)

9.2 wataru tominaga
Wataru Tomimaga 23ss 感想
パリコレにも出てるブランドを実際に観ることができて本当によかったです。会場の雰囲気からお客さん達の期待度の高さを感じることができました。洋服や靴、かばんなどを観て子供らしさ?を感じました。1番印象に残っているのは王冠👑を被ってピンクの服を着ていたルックです。王冠が布でできている部分に可愛らしいを感じたのと、服に巻き付けてある乾燥した草から野原を走り回って帰ってきた子供を想像しました。また、自分が知っているモデルさんが出てきたのも強く印象に残りました。壁際から観ていたので細かいディティールはよくわからなかったのですが、世界観を感じることができて楽しかったです。 (森脇貴志/高校3年)

9.3 Afromatic Tokyo
OLVIYI THOMAS
青いカツラのDE顔が全て覆われていることによって顔のインパクトが一切なく、服をみる事だけができました。カツラの下から垣間見える肌がどのモデルさんたちも陶器のようで、少し不気味で神秘的な感じが神話上の生物というテーマにぴったりだと思いました。
BUBU OGISI-IAMISIGO
生地にプラスティックが使われているのに、ふわふわしていて儚げな印象がありました。プラスティックというと硬いイメージだし、ザ・エコみたいな服に使われているのはよく見るけど、あんなに綺麗な表現もできるのは初めて知りました。
FODAY DUMBUYA-LABRUM
ちょこちょこ胸や背中などにいるキャラクターが可愛かったです。しかしこのブランドの洋服たちには深い意味が込められているのを知ってから見ると、ただかわいいだけじゃないんだと思わせてくれ、そしてその意味がしっかりと服に現れて伝わってきました。異なるバックグラウンドを持つ人たちの家族写真をもとに作られたなんて素敵です。(福澤はな/中学3年)

9.3 kudos/sudok
今回のプレインターンシップでは、工藤司さんが手掛けるkudos (クードス)と、そのウィメンズブランドであるsoduk (スドーク)のファッションショーを観覧しに行った。今まで行ってたファッションショーとはまた異なり、明るい色の服やデザインが凝っている服をまとった観覧者がいて既に工藤さんのショーの雰囲気が始まる前からあった。
会場の中に入ると、昭和の歌謡曲が流れていて、真ん中に四角形のステージにお客さんが座っており、周りにモデルが歩けるランウェイがあった。そして、暗転すると同時に音楽が変わり、全身白の服を着た男性モデル2人組がファーストルックとして登場した。2人組は、草花をつけていてかなり個性的なデザインの服を着ていた。次々とモデルが登場し、ファーストルックを見て持った印象とは違うカジュアルな服をまとっていた。さらに、モデルたちはピンクや黄色などの色を使った派手な顔のメイクとペイントがされていて印象深かった。明るい緑やピンクの色から、シックめな服まで、タイプが違う服を着たモデルたちが現れて客席の間を歩いていた。同じデザインの生地が使われていたり、性別関係なく着られる服があったりととてもkudos/sodukのブランドの良さが伝わった。ショーが終わった後も、携帯で録画などできると工藤さんがアナウンスをして記念に撮ることができた。ショーの間では、服に着目できるように携帯使用禁止にしたのではないだろうか。
会場の設計から、音楽、携帯の使用まで事細かにこだわりがあってよりkudos/sodukの服の良さが強調されていたと感じた。(Moeka Omi/高校3年)